日本のICT技術は悲惨な状態
新たにWeb Serviceを始めようと思ったとき、クラウドを利用することを第一の選択肢とすることも多いではないでしょうか。 そのとき、クラウドプロバイダーの選択肢としてAWS,GCP,Azureなどが挙げられると思います。 いずれもアメリカの企業がシェア握っています。 また、Web Serviceの技術要素としても、MYSQL、NGINXなど様々なミドルウェアを利用しているかと思いますが、これらも主として海外で作成されたものです。
日本の車などの製品は世界で一番シェアをとっているのになぜ、ICT分野では、日本の存在感がないのか? その理由を、登さんは次のように上げています。
- 日本では勉強・試行錯誤のサイクルが回っていない
日本の製造業の技術の確立パターンでは、技術を輸入して、試行錯誤で改良を加えていく、そしてオリジナルを超えていくというプロセスをたどっていました。 しかし、ICT分野になると、そのプロセスを「危ない」「ルールで禁止されている」などの制限によって許容しないということがあり、それが現在の状況につながっているといいます。
また、日本企業の文化として安全指向があるといいます。安全指向であることはよいことですが、ゼロリスクまで行ってしまうと逆に企業の成長にはマイナスになってしまうといいます。 なぜなら、海外企業はある程度のリスクをとって成長していくからです。アメリカのシリコンバレーのスタートアップではリスクをとって企業・技術を成長させていきます。そして、獲得した新たな技術によって従来シェアを握っていた企業よりも、どんどんシェアを広げていきます。 行き過ぎた安全指向が現在の日本の存在感のなさにつながっています。
日本のICT技術復活に必要なこと
講演中に「あへんかかぶれ」かという言葉が出てきました。あへんとは頭を使わない姿勢を比喩したもの、かぶれは頭脳を使って問題解決する姿勢を比喩したものです。 日本の技術を復活させるにはかぶれの技術者であることが大事であるといいます。 かぶれの姿勢を身に着けるには、不合理だと思ったことを放置せず対処することが大事だといいます。
また、興味を持ったことをとことん突き詰めることだといいます。 登さんの経歴として、中国のGreat Firewallの通信乗っ取り、VPNテレワークシステムの構築、NTT東日本でのネットワークいじりなど様々な経験を持っておられます。これができたのは単に個人の持つ興味が強烈でその興味の衝動で動いてきてことが要因だと思います。 その興味を阻害しない環境づくり(ルールを厳しくしすぎない、手を動かせる環境が用意されている)も重要です。
かぶれの姿勢、興味を阻害しない環境が日本に求められています。
感想
個人的に興味の赴くままに学ぶという姿勢がかなり刺さりました。自分の勉強の基準が今までの受験勉強などの影響で常に役に立つか、評価されるかを無意識に基準として考え込んでいました。本来、勉強は興味があることをやることが楽しいし吸収も早く深く学べると思います。今回この動画を見たことで無意識の判断基準からの呪縛がなくなった気がします。このブログも興味本位で学んだことをどんどん投稿していきたいと思います。